84 ナチュラルズ
植物由来フラーレン A
8 6 4 2 0
-2 0 3 6 Min 図2 HPLC分析による植物由来フラーレンと従来フラーレンの同一性の確認
物由来フラーレンの分散にシリカを用いているが、 シリカはISO16128では自然由来原料となるた め、
際に適している。
自然派なファンデーションやメイクを処方する Radical SpongeNはPVP及びBGが合成
品のため植物由来率、 自然由来率は低いが、 本製
品は水溶性で容易に化粧品に配合できる利点が あり、 また、
料で唯一ハラール認証を得ているため、 いずれの製品も、 40
幅広い化粧品アイテムに処方が可能である。 Radical SpongeNは、
フラーレン化粧品原 今後ニー
ズが増えると思われるムスリム向けの化粧品にも 配合が可能である。 なお弊社では、
は往々にしてコストアップにつながるが、
提供することで化粧品メーカーがよりサステナブ ルな製品づくりを実現でき、 のではないかと考えたためだ。
SDGsへ貢献できる
環境への配慮 フラーレンを製造するための原料を植物に変更 する際、 た。 は、 り、
また、
弊社は環境に配慮することを最も重視し 出発原料として日本国産の杉を採用した理由 サスティナビリティに関する基準を満たしてお 森林破壊に繋がらないよう配慮して栽培管理 されているためである。 を一旦、
製造工程において杉 ペレットに加工してから使用することで杉 従来品であ
る化石資源由来のフラーレンを配合した製品と同 価格で提供している。
天然由来に切り替えること 同価格で
図3 βカロテン退色法による抗酸化力の比較 の使用量を抑える工夫もしている。
工程といえる。 化粧品においては、
ミングに合わせて、 品において、
さらに杉由来
ペレットから炭素棒を製造する過程で使用する電 力は水力発電とし、 ており、
クリーンエネルギーを使用し
サスティナビリティと環境に配慮した製造 リフィル容器や生分解
性プラスティックなどを用いた容器への変更が進 んでいる。 要と考え、
ポリ容器あるいはブリキ缶から、
化粧品原料においても同様の対応が必 フラーレンを植物由来に変更するタイ 容器の変更が可能な全ての製 キャ
20 0 従来フラーレン 植物由来フラーレン 80 60
ップ付きアルミパウチ容器への変更を行った。 概ね8-9割削減を実現した。
こ
れにより産業廃棄物として処分される原料容器 の体積は、
おわりに これまでフラーレンは化学的なイメージがあり、 天然系/植物系を求める消費者の声に応えること が難しかった。 は、 く、
従来のフラーレンに比べて製造工程期間が長 フラーレン製造の効率も低い。
今回開発した植物由来フラーレン しかしながら、
今後も確実に増えることが予想される植物系原 料のニーズに応えることができる原料といえる。 今後、
る化粧品において、 料が広く採用されることが期待される。
参考文献 1. H.W. Kroto et al.,Nature, 318,162 (1985) 2. 伊藤雅之,フレグランスジャーナル,457,71 (2018) 3. 篠原久典ほか, フラーレンの化学と物理, 名古 屋大学出版会,p31-35
（1997）
4. S. Kato et al., J Nanosci Nanotechnol, 10,6769(2010) 5. S. Inui et al., Nanomedicine,7,238 (201
1)
6. M. Murakami et al., Photodermatol. Photoimmunol. Photomed.,29,196(2013) 7 .乾重樹ほか,フレグランスジャーナ ル,401,28(2013)
PC
植物由来や天然素材配合をコンセプトとす 植物由来フラーレン化粧品原
C60 9 C70 12 8 7.832 5.5 3 10.035 0.5 -2 0 3 6 Min C60 9 C70 12 10.025 7.818
従来フラーレン B
図4 植物由来フラーレンを用いた化粧品原料 PERSONAL CARE May 2021
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