88 NATURALS
ほとんどキューティクルが存在しない毛髪も あり、
に合わせて、 そういった毛髪は枝毛や切れ毛の発生
源となる。 本稿では、日常ダメージのニーズが高まり キューティクルCMC補修のため
に開発されたカシミヤコート及びその補修作 用について紹介する。
カシミヤ由来の加水分解ケラチン: カシミヤコート カシミヤコートは、 ことで作られる、
カシミヤ毛を加水分解する 加水分解ケラチンである。
弊
社は20年間プロティキュートシリーズとして羊 毛由来の加水分解ケラチンを販売してきたが、 カシミヤ由来へと素材を変えることで従来の 加水分解ケラチンと異なり、
柔らかく自然な感
触を毛髪に付与できる素材として開発された。 更に、
水分解ケラチンとしては中程度の分子量を持 ち、
臭いが少なく、 性に優れていることも特徴である。
カシミヤコートの日常ダメージに対 する効果 試験試料 試験に使用する毛束は、 ナトリウム水溶液に浸漬し、 オルで水分をふき取り、 使用した。
予め1%ラウリル硫酸 流水で洗浄後、
タ 一晩風乾させたものを
CMC溶出毛髪に対するカシミヤコートの効果 日常ダメージによって最も影響を受けるのはキ ューティクルCMCであり、
機酸を用いて抽出することが可能である1。 実験では、
ミヤコートを処理することで、 対する効果を検証した。
試験方法 毛束を室温で15分間、
CMCは高濃度の有 本
CMCを損傷させた毛髪に対しカシ CMC損傷毛に
95%ギ酸に浸漬した。
結果 ギ酸処理により、 毛髪に対し、
ねじり剛性の回復が見られた
ねじり剛性が大幅に低下した カシミヤコートを処理することで、 (図1)
。
超音波処理毛髪に対するカシミヤコートの 効果
化学処理を伴わない日常ダメージを再現する ために、円山らの報告2
を参考に、 本実験では、 超音波処理
にて長期間の日常ダメージを疑似的に与えた 毛髪を作成した。 し、
この毛髪に対
カシミヤコートを処理することで、 ージに対する効果を検証した。
総合評価 ボリューム 軽さ
5.5 5.0 4.5 4.0 3.5
サラサラ感 日常ダメ カシミヤコート1%■ コントロール■
補修するために効率的な形に設計されている。 また、
カシミヤコートは分子量6,000程度の加 キューティクル表層のダメージを効率的に 従来製品と比較して、
安定
図3: SEM観察 その後、
ギ酸処理 カシミヤコート処理
流水で十分に洗浄を行い、
分をふき取った後、 処理毛束を作成した。 カシミヤコートを塗布し、 を行った。
処理後、
ト処理毛束をそれぞれ、 、
50%rh)
未処理毛束、 中で、
5分間、
タオルで水分をふき取った後、 乾させた。
ギ酸処理毛束、
一晩室温で風乾させ、 その後、
タオルで水 ギ酸
ギ酸処理毛束に 室温で処理
流水で十分に洗浄を行い、 一晩室温で風
恒温恒湿室
カシミヤコー (25℃
一晩平衡化させた後、
ック製ねじり剛性試験機KES-YN1を用い、 毛髪試料のねじり剛性を測定した。
カトーテ 各
試験方法 毛束を、
間超音波処理を行った。 に洗浄を行い、
一晩室温で風乾させ、 した。
その後、
トを塗布し、 後、
50%rh) 5分間、
ふき取った後、 未処理毛束、
中で、
超音波洗浄機に浸漬し、 処理後、
50℃で3時 流水で十分
タオルで水分をふき取った後、 超音波処理毛束を作成
超音波処理毛束にカシミヤコー 室温で処理を行った。
流水で十分に洗浄を行い、
ート処理毛束をそれぞれ、 、
一晩室温で風乾させた。 超音波処理毛束、
恒温恒湿室
毛髪試料のねじり剛性を測定した。 結果
超音波処理により、
した毛髪に対しカシミヤコートを処理すること で、
ねじり剛性の回復が見られた
ねじり剛性が大幅に低下 (図2)
。
処理毛髪のSEM観察 ギ酸処理毛に対しカシミヤコートを処理した 毛髪について、 観察を行った。 より、
走査型電子顕微鏡 図3に示すように、
(SEM)
カシミヤコート処理によりその剥離が抑制さ れることが確認された。
カシミヤコートの毛髪感触改良効果 カシミヤコートの毛髪に対する感触改良効 果を検証するため、 した。
ヒトモニター試験を実施
試験方法 カシミヤコートを1%配合した試験用シャンプ ー及びプラセボとしてカシミヤコートを水に置 き換えたシャンプーを試験に用いた。 ャンプーとプラセボは、 料を添加することで、 かないように調整した。
色調を揃え、 しっとり感 品のトリートメントを配布し、
外観・臭いでは判別がつ また、
被験者には市販 試験期間中は使
用するトリートメントを均一にした。試験は、被 験者にどちらのシャンプーを渡しているか伝え ずに単盲検法で実施した。 あらかじめ、
文書にて同意を得た、 名を被験者とし、 なめらかさ やわらかさ 図4: カシミヤコート配合シャンプーの感触向上効果 PERSONAL CARE 2025年5月 手ぐし通り ていただき、
ンプーで洗髪を行っていただいた。 は、
いてアンケートを実施した。 結果
評価結果を図4に示す。 っとり感、
これらの結果から、 ついて改善されたことが確認された。
www.personalcaremagazine.com し なめらかさ、柔らかさ、手ぐし通りに 女性14
被験者には毎晩試験用シャ 各被験者に
それぞれのシャンプーを3日間ずつ使用し 各シャンプーの使用後の毛髪につ
での ギ酸処理に キューティクルの剥離が確認されるが、 一晩平衡化させた後、 (25℃ ック製ねじり剛性試験機KES-YN1を用い、
カトーテ 各
処理
タオルで水分を カシミヤコ
試験用シ 同一の香
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