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大自然の息吹を体感 氷河が後退、


火と氷の島、アイスランド


変化する地形


のように見える。


「氷河」と呼ばれる由来はこ


の姿にあるのかも。  約1時間の飛行を終え、南東部のホプン空 港に到着。海沿いを西進すると、草原の奥の 山並みの間から、舌のようにせり出すバトナ 氷河の先端が見えた。氷舌だ。今にも流れ落 ちそうで流れない。凍った世界は時が止まっ ている。  さらに進むと、氷が解けてできた広大なラ グーン、ヨークルサゥルロゥン湖が広がる。目 の前の大西洋からたどり着いたのだろうか、 アザラシが数頭、頭を出した。  夏季は、水陸両用艇で湖内を周遊すること ができる。なだらかに削られた岸壁を滑り降


 後退は加速し、ヨークルサゥルロゥン湖も 20年で急激に面積が拡大した。レイキャビ ク周辺海域の水位上昇を示すデータもある。  ホフフェルのラグーンの近くには、深さ2 メートル近く、幅数十メートルにわたって、土 がもぎ取られた跡が残る。3年あまり前、ラ グーンの排水路が変わり、草原を流し去った のだという。  フリーダさんは言葉に力を込める。


「何の


予兆もなく、突然、奪っていった。詳しい原 因はわからないけど悲しいことね」


(共同)


ハットルグリムス教会から見渡すレイキャビクの街並み


 火山が連なり、国土の1割を氷河が覆うア イスランド。火山は噴火を繰り返し、氷河が 後退してラグーン(礁湖)が生まれる。火と氷 の島を巡り、大自然の息吹を体感した。


X X X X X X X X X X X X X X 雪から滝へ


 首都レイキャビクはこぢんまりした町だ。高 台の上に立つハットルグリムス教会の展望台 から、町の隅々まで一望できる。首相官邸の 前には、囲いも警備員の姿もなく、のどかな 雰囲気が漂っていた。  市内からのバスツアーで名所を巡りながら、 壮大なグトルフォスの滝に立ち寄った。水際 に近づくと目の前を白濁した水が豪快に落ち ていく。晴れた日に、全身で浴びる水しぶき が心地よい。  この大量の水は、どこからやってくるのだろ


水陸両用艇で氷山を間近に見学する=アイ スランド・ヨークルサゥルロゥン湖


うか。遠くに目をやると、白い氷河が見えた。 雪が悠久の時を経て氷河となり、それが解け て滝になったのだ。


ホフフェルのラグーンを見詰めるフリーダさん=アイ スランド・ホフフェル


りて湖に入ると、水に浮かぶ氷山が次々と目 の前に迫ってきた。青く透き通った塊や、大 理石の模様のように白、青、黒が混じり合っ たものも。


「氷山は、水面の上に見える部分


が1割。残りの9割は水中に隠れています」 青年ガイドが説明した。まさに


。 「氷山の一角」


だ。  氷山を削り取った小さなかけらを口に含む と、冷たく澄んだ水がスーッとのどを通ってい く。どれほど昔の雪なのだろう—。想像力が かき立てられた。


流された草原 ラグーン周遊 壮大な流れ、グトルフォスの滝=アイスランド 30 SAN DIEGO YU-YU DECEMBER 16, 2011


 欧州最大のバトナ氷河を目指し、レイキャ ビクから小型旅客機で飛び立った。雲の合間 から見下ろす大地は表情豊か。大河や切り立 つ火山を越えると、広大な白い面が現れた。 黒砂の筋がいくつもうねり、雄大な川の流れ


 ホプンの町から程近いホフフェルにも、あ まり知られていないラグーンがある。代々この 地に暮らすというフリーダさんと四輪バギー で小川を渡り、コケが生えている岩地を走り 抜けた。  湖畔に立つと、静寂に包まれる。水面は揺 れることなく、浮かぶ黒砂混じりの氷も止まっ たままだ。


「ここは、数十年前に氷河が急に


崩れてできたラグーン。地球温暖化の影響と もいわれているけれど…」とフリーダさん。


自然巡る観光ツアーが充実


 アイスランドは、大自然を巡る観光ツ アーが充実している。大手旅行会社2社 によるレイキャビク発着の日帰りバスツ アーがメーン。ホテルからバスターミナル まで送迎してもらえて、体力に自信のない 人も簡単に名所を巡ることができる。  グトルフォスの滝、間欠泉の名所ゲイ シール、世界遺産のシンクベトリル国立公 園を一度に回れる


「ゴールデンサークルツ


アー」は人気が高い。  活動派には、氷河のトレッキングやス ノーモービルツアー、溶岩地帯を馬や四 輪バギーで走行するコースがお薦めだ。  島や遠方へは、小型旅客機での日帰り ツアーがあるほか、クジラや野鳥を観察 できる船の旅もある。


ハットルグリムス教会=レイキャビク


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