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ス タッフ 閑 談 今回のテーマは 「時代」


 ▽ 生きていれば今年107歳になる祖母は、毎日寝る前に嫁入り道具 の箱枕の小引出しから、セピア色の祖父の写真を取り出して、


ありがとう」と手を合わせていた。その箱枕は、硬くて凛 りん


「今日も とした明治の


オンナそのものだった。電車もなかった明治に生まれて、大正、昭和、 平成と、時代の変遷に揉まれながら、飛行機にまで乗った祖母を今更 ながら凄いと思った。▽ エネルギーたっぷり・時間たっぷり・お金なしの 「子供時代」


エネルギーなし・時間たっぷり・お金あり (?) の「老人時代」


。エネルギーあり・時間なし・お金あり (?) の「大人時代」 。人生を大





きく3つに分けると、どの時代にも足りないものがある。仮に3つとも 持っている幸運な人がいても、有効に使えているかは別問題。人生の妙 味はそこにあるような気がする。▽ テレビジャパンで放 送されているドラマ『JIN-仁-』を楽しみに観ている。 現代の脳外科医が幕末の日本にタイムスリップする


というSFストーリー。苦楽を共にし、喜怒哀楽を 共有することの素晴らしさは、時代を超えて普遍だと 思った。南方仁と咲さんの運命や如何に。 (NS)


 時代家具、アンティーク和家具に惹かれる。わが家のインテリ アと合うかどうかは別として、


階段箪笥や薬箪笥、 茶棚、 文机、 ちゃ


ぶ台など置いてみたい。アンティーク時代時計もいい。そういえ ば、母方の田舎、祖父母の家に古い柱時計があった。遊びに行 くと、1日中「カチコチカチコチ」と時を刻む音が聞こえる。そし て1時間ごと (それとも30分ごとだったっけ?) に時報を知ら せる「ボーン、ボーン」という音が聞こえていた。古い梁


はり 、以前は


土間だった台所、引き戸式の勝手口、仏壇、障子、襖 ふすま


かや 薄暗い居間、蚊帳、旧式豆炭あんか … 懐かしい。普段は洋風の


家に住んでいたので、長い休みに母と妹と訪れる祖父母の家は 日本家屋そのものでとても珍しかった。ただ珍 しかったけど、


「いいな」 「住みたい」 とも 、日中でも  


  昨年暮れに訪れた歴史ある2軒の温泉宿は対照的だった。① 福島県高湯 温泉T旅館 … 創業140年。母が少女時代に親と逗留していた湯治の定宿。 60年ぶりの母は立派なホテルに様変わりした姿に絶句した。茅葺き屋根の 硫黄泉小屋は残されていたが、他の浴場は改築され、モダンさと清潔感を 強調。新旧のコントラストを見事に際立たせ、


若者の人気も集まり連日満員!


② 山形県瀬見温泉K旅館 … 同県最古の温泉宿 (玄関=明治元年築) を切 り盛りする大女将 (80代?)。陳列された明治期の大型時計と無数の番傘、 そして江戸期の古色蒼然とした雛


ひな 飾りは「停止した時間」の象徴か。館内は


迷うほどに広いが、客は私1人。深夜2時半。雪音が夜の静寂を増幅させる のか、大浴場の湯気の中で “物の怪” が漂うような邪気を感じた。明け方には 凍結した水道管が破裂。部屋の洗面所が水浸しに … 。 「時代に乗った」 T宿。


「時代を残した」 K宿。T宿のサー


ビス度もHPの充実度もK宿を凌いでいる。とはいえ、 強烈な印象を残したのは紛れもなく後者。K宿のよう な老舗旅館が存在する限り、母国への旅情が掻き立 てられるというのも異境人としての本音だろう。 (SS)


「フィーチャーフォン」 。なんだかカッコいい響きだが、時代遅れの携


帯電話って意味。Android や iPhone のようなスマートフォンとは違い、 いくつかの Feature (機能) なら付いているよ、って意味らしい。テキ ストとかカメラとかはこのフィーチャーに含まれる。私の携帯もフィー チャーフォン。もう5年近くも使っている。一方、周りのみんなはスマー トフォン派。料理の写真をその場で Facebook にアップしたり、GPS 機能を利用して快適なドライブをしたり、無料アプリで遊んでみたり、 なんだかとっても楽しそう! でも私には必要ない (あれば便利だよ)。 私は替えない (本当は買えないでしょ)。むなしい問答をしてみた。そ うそう、5年前まで使っていた先代の携帯電話は凄かった。デカイ、オ モイ、


シロクロ、ノーテキスト、ノーカメラというフィー とも思っ


てなかった。今さらながら、とても懐かしく思 える。古いもの、時代がかったものが温かく 感じられる。アメリカに住んでいるからなのだ ろうか、


それとも歳のせいなのだろうか。 (YA)


 我が家の車には、ラジオとカセットテーププレイヤーが付いている。普段 はラジオだけで十分だし、たまに学生時代に録音したテープを聴くくらいで 満足する私なので、まったく不都合も感じずに乗り続けている。ある時、 助 手席に乗せた友達が「カセットプレイヤーなんて何年も見たことなかったよ。 懐かしい!」と感動するのを見て、やっぱりこれって、一昔前のものよねと 妙に納得。2008年に生まれた娘が少しずつ大きくなって、ドライブ中にも 音楽を要求するようになった頃、夫のお母さんが童謡とお話が録音された カセットテープ全集を渡してくれた。何でも、夫が子供の頃 (30数年前) に 聞いていたものとのこと。歌詞カードなど少し黄ばんでいるものの、とても きれいに保存されていてびっくり。それ以来、ドライブ中は少年少女童謡 歌手の歌う 「月の砂漠」 りごと」


「こがね虫」 「りんごのひと 「雨ふり」などを娘と聴いている。車の外は


2012年のサンディエゴ、中は1970年代の日本で ある。アメリカにいながらにして、今の日本の子供 も聴いていないような渋い童謡を聴いている娘。 きっとおもしろい人に育ってくれるでしょう。 (RN)


チャーフォンですらない代物だったから。その頃か らすると、


私のこのフィーチャーフォンだって、


チャー (未来) フォンだったのにな。兵 つわもの


の跡だよ、 フュー どもが夢 スマートフォン。テクノロジーの現代社会、 なんともイタチゴッコな時代である。 (AS)


 ♪そんなー時代もーあっーたねと〜、いつか話せる日が来るわ〜♪ 年末に名古 屋へ帰った時、樹木希林さんのフジフィルムの “お正月を写そう・富士カラーで写 そっ♪” のコマーシャルに、元・超アイドル松田聖子さんと元・超アイドル小泉今 日子さんが共演してた。思わず「すごっ」





【テキスト編】電話よりもテキストメッセージ。短くて、くだら ないテキストメッセージが行ったり来たり、


  “永遠にコミュニケー


ション” が続いている “若者たち” についていけない!! なんと別 れ話もテキストメッセージで済ませるような人々が増えたとは!


【フェイスブック ! !


本当に信じられない。会えなくても、人との繋がりは少なくても、 電話=声で意思疎通をしたいと私は思っている。





ティーン編】ティーンの姪と甥は私のフェイスブックのフレンズに なっている。彼らの Wallの会話を読んでみると “????”


! 会話


になっていないようなやり取りや、彼らの年代しか通じていない ようなニュアンス。おばさんの私はびっくり! なぁ〜と時代を感じてしまう。 年編】


! 年だ 【フェイスブック・中 かなり “開放” コメント、考え方などをどんどん


しているフレンドがいる。 !


写真、 “発表”「OMG」


のような大胆さには尊敬するけれど、やはりつい ていけない! どっちにしても、私は “時代” につ いていけないような人間だ!! (S.C.C.N.)


 時代劇を見るのは結構好きで、好き嫌いの分かれる 「水戸黄 門」も「早く印籠出してくれないかな〜」とワクワクしながらテレ ビで見ていた。近所の友達から「Sちゃんのおじいちゃんって水 戸黄門?」と疑われるくらい、父方の祖父 (ヤギ髭あり) は初代 水戸黄門に似ていたので親しみが湧いたのかもしれない。遠山 の金さん、大岡越前 … (あれ?あまり思い出せない)、大河ドラ マも1年を通して見ることが多かったし、赤穂浪士や白虎隊にい たっては涙なしでは見られなかった。そういう時代だったからと、 一括りで言えないくらい悲しすぎる内容も多かったと思う。年末 と言えば赤穂浪士。討ち入りの日、


12月14日は母方の祖父 (私


が4歳の時に亡くなった) の命日だった。12 月14日が来ると、先に討ち入りを思い出して いたのだが、


調子のいい私は んの命日だね」と言い、 ほ


「今日はおじいちゃ 「おじいちゃんのこと


ちゃんと覚えていて、なんていい子なの!」と 褒


められていい気分になっていた。 (SSo)  「こんな時代が来るなんてね〜」 と話すのは、毎日Skypeで話をし 「小泉今日子さんが出てる」と言ったら、


幼なじみのお姉さんの次女が (説明・関係が長いようですが、田舎は近所同士、 皆が仲良し!) (しかも正月から、 トに 「小泉今日子って誰?」


田んぼを挟んだ近所の家の居間で過ごす私)、 と打ち出した。えええエー? 今どきの女子高生はニッ


ネッ


ポン代表アイドル歌手・Kyon2を知らない?! 彼女たちは (親戚の親戚の子供 らが集まっていた)「えーっと、こいずみ・きょーこって・・女優?」とか、フムフム 言いながら検索しているのを見てたら ♪時の流れに身を任せ〜♪ の曲が私の頭 の中で鳴り始めた。私だって、ジュリーの時代ではございま せんが、あまりにもカッコいいので歌は知ってますぅ → ♪時 のぉ〜過ぎゆくままぁにぃ〜この身をまかせー男とぉー女が ただよいながら〜♪ いつの時代でも名曲は名曲じゃーっ! 小・中学生たち! よ〜くニッポンの名曲を覚えとけーッ (と 言っても私もたいして知らない) (満


みほし なつき あやも 星と那月と彩雲のおば)


ている母。毎日決まった時間にSkypeをかけては、だらだらと、ほぼ 1日中つけっ放して適当に話をしたりしている。カメラが付いているから 日本の実家の様子もわかるし、両親も私のアメリカ生活がよくわかって 安心するようだ。という訳で、


Skypeは我が家にとって、 とても便利で


ありがたいものである。父が遠洋漁業をしていた40年ほど前は、母が 南米やハワイにいる父に国際電話をすると、


3 分で5千円ほどかかった


らしい。私は産まれていなかったので知らなかったが、姉たちが言う には、電話をかけても音声が悪く、大声で「もしもしー? もしもしー?」 と言っているうちに時間が経ち、すぐに切らなければならなかったそう だ。そういう時代を通ってきた両親からしてみれば、 テレビ電話 (?) で、しかも無料でアメリカと日本 で話ができるなんて思ってもなかったことだろう。 ところで、今20歳くらいの子たちって、カセット テープを知らない子がいるっていうから、これまた ビックリだ。もしかして、ビデオテープもか? (SU)


SAN DIEGO YU-YU


FEBRUARY 16, 2012


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