SAN DIEGO YU-YU
JUNE 1, 2012
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ス タ ッフ 閑 談 今回のテーマは
「緊張」
▽ 中学生のころ、同級生の母親が亡くなり、先生と一緒に葬儀に参列した。一礼、合掌、3回つまんで …。坊さんの長〜い 読経の間、焼香の仕方を必死に覚えた。次は私の番だ。すっくと立ち上がったまではよかったが、大きな音をたててひっく り返ってしまった。あまりの緊張に足がコンニャク化していることを忘れていたのだ。周囲の笑いを誘ったあの事件は、今で もクラス会の話題となっている。▽ その昔、入社試験の面接で「かぎょう
4 44 4 は何でしょう」という質問に「カキクケコ」と元気
よく答えてしまった。一瞬、微妙な空気が流れ、その後、面接官たちが大爆笑。緊張のあまり「家業」 を「カ行」と勘違いしてしまったのだ。入社後のあだ名は「カ行のヒト」となった。▽ 銀行に勤めて 1年目のこと。社員食堂でランチを食べようと、同僚と一緒にエレベーターを待っていた。バレー部の キャプテンだった彼女が突然ジャンプした。ヒールを脱いで私もジャンプ。すると、防犯ベルとともに シャッターが閉まった。生まれて初めての事情聴取。重役室で厳重注意を受けて「お騒がせしました」 と深々と頭を下げて退室するとき、よほど緊張したのかコンコンとドアをノックしてしまった。 (NS)
私は中学まではまったく存在感がなく、とってもシャイな子だった。 「本当に静かで、おとなしい子だ
ねー」と両親の友人にいつも言われていた。知らない人と話す時、必ず緊張して顔が赤くなる。ステー ジに上がって、
何かを話さないといけない時のクラスはとっても苦手で大嫌いだった。身体はもちろん、
声までふるえて、泣いているんじゃないかと皆に思われるほど、超緊張していた。時が流れて、そんな シャイだった私はまるで “別人” のように高校時代から変わった! 初対面の人でもい ろいろな話ができるようになり、よく笑うようになり、うるさいと言われるほどよく 喋るようになった。もちろん今でも、状況により緊張するけど、とりあえず顔に出ず、 周りの人々にバレないように、何とか普通にハンドルしている。人の性格は環境に よって変わるもんだなぁーと、自分の経験から言える。しかし、昔のシャイな私も、 たまに懐かしいなぁーと思う時がある、、、もう戻れないかもね。 (S.C.C.N.)
うちには無許可で居座っている住人がいる。 平気でお風呂を覗き、 勝手に女の子の部屋に入ってきては私を驚かせる。
愛称ミミちゃん。1匹ではないので「ミミちゃんズ」としておこう。ま、どこにでもいるアシナガグモだ。住居不法侵入 ミミちゃんズを見つけると、そっとお外へ放り出す。心優しいかどうかはさて置き、 なんて、
怖くてできないからである。さてさて、 みなさんは 「ブラックウィドウ」 ・
「コロシテシマオウ、ミミちゃんズ」 という名前を聞いたことがあるだろうか?
真っ黒なボディに真っ赤なマークが付いた猛毒のクモだ。親友のご近所さんに、コレに噛まれ てしまった気の毒な人がいる。噛まれた足の指は腐り、切断を余儀なくされたという。サンダ ル履きだったのと処置が遅れたのが命取りだった。この経緯を弊誌スタッフの1人に話すと、
人生で最も緊張した日は1993年7月30日。世界少年野球推進財団 (WCBF) 主催による野球大会がSDで開催され、 前夜祭の歓迎ディナーに出席した時のこと。王貞治・WCBF専務理事 (現・ソフトバンクホークス球団取締役会長) にイン タビューした私は、少年時代の憧れのホームラン王を前にカチカチに硬直してしまい、何を質問したのか全く思い出せない。 記念撮影を懇願した記憶だけが残っている。ディナー会場では野球殿堂入りした日米のスーパースターが一堂に会して “夢の饗宴” が繰り広げられていた。ジョー・ディマジオ、デューク・
スナイダー、ハンク・
ハーモン・キルブルー・・・伝説の元メジャーリーガーが自分の目の前にいた。私は20代の若い スタッフを2人連れていた。彼女たちは野球オンチながら会場を駆け回り、日本の名選手のサイ ンを集めている。Mr. タイガース (元阪神K選手) の顔を知らないと2人が言うので 「ハゲてい る」 とだけ答えたら、元広島の “鉄人” K選手のサインをもらってきた。 と笑いながら説明したが、
ご本人が私の真後ろに座っているのを知ったのは10秒後だった。
アーロン、
「これ違う。もっとハゲ」 (SS)
子供のころ、年に一度あったピアノの発表会 (4歳から14歳まで通っていたから10年間) では緊張 した憶えがない。あらかじめ指示されている通りに舞台に出て、お辞儀を一度してからピアノに向かい、 発表会用の曲を弾く。曲は当日までに暗譜をしてあるので、頭に入っているし、指も勝手に動く。あま り本番だという現実感のないまま弾き終わり、お辞儀をしてから引っ込む。毎回、こんな感じで淡々と 終わらせていた。小学3年生の時に校内放送で作文を読んだ時も、特に緊張し なかった。
「緊張」 を体験したのは大人になってからだ。サンディエゴで通ったアー
トカレッジで初めてプレゼンテーションをした。今まで人前に立って話す機会など なかった。元々声が小さく通りにくい上に、
全て英語だ。普段何も考えてないから、
特に言いたいこともない。顔は赤くなるし、自信がないからどんどん声が小さく なるし、震える。卒業するまで何度もプレゼンテーションの度に緊張した。 (YA)
私は子供の頃からすぐに緊張する質 たち
だ。大勢の前で話したり、何かしたりするのはとても苦手。でもその割には 「う
ちにも出るよ。庭の石の裏にいるねー。見つけたら石で潰すけどね」と笑っていた。怖すぎる。 以来、家でも会社でも足元を注意深く観察し、足がムズムズするとドッキーンと緊張してしまう。 だからといって、無害のミミちゃんズが可愛く見えて …… くるわけではないのだが。 (AS)
あー。 忘れもしない高校時代の “帰宅午前様” 時代 (私の唯一の不良時代?)。 うっかり友達と喋りすぎて、
家に帰ったら夜中2時すぎ。まともに玄関から入ったらバツが悪いし、鍵をガチャガチャ開ける音は家中 に聞こえて、起きなくてもいい人たち (両親) を起こしてしまう。でも、玄関からしか入れないので・・・ 外に隠してあった鍵を取り出し、今までしたことのない忍び足、金物はカチカチ音が鳴らないよう手で音 をこもらせながら、そぉーっとドアを回して開けて、転びそうになりながら靴を脱ぎ、 暗闇の中を少しずつ歩み、あたかも昨日から寝ているように布団に滑りこむ。距離に したら10mほどだけど、気分は10km忍耐マラソン並み。その間は緊張しまくって、 冷や汗だくだく。もう二度と味わいたくない!と思ってたら、またしでかしそうな状 況に陥ったので、今度は頭を使って、部屋の窓の鍵を開けておくことにした。これで 緊張度半減! (というか・・早く帰りなさいって?) (満
みほし なつき あやも 星と那月と彩雲のおば)
発表会やら、スピーチコンテスト、討論会などに出る場面がちょくちょくあり、その度に胃が痛くなるほど緊張した。 手の平に「人」という字を書いて飲み込むと緊張しなくなると聞いて試したけれど、私には効果ゼロ。そんな私の あがり症に少しだけ変化が起きたのは、交換留学で1年だけアメリカの大学に通い始めた頃。ルームメイトや先生、 学生たちとのコミュニケーションに四苦八苦し、授業についていくのに死に物狂いの日々 を送る中、自分の英語力の乏しさに呆然とした。でも同時に、下手な英語でも大きな声で 自信あり気に言うと、相手は案外理解してくれることにも気がついた。この異国の地での 1年で度胸がかなりついた。日本に帰国後、就職活動をしたが、企業での面接も留学前の 私だったら何もしゃべれなかったような気がする。いまだにちょっと人数が集まると緊張 するけれど、
胃は痛くならない。面の皮が厚くなったのではなく、 年の功と思いたい。 (RN)
う〜ん、緊張かあ・・・。今の私の生活に全くと言っていいほど、縁のない言葉である。ストレスを感じる 日がたまにはあっても、 こともしばらくないし、
そのない 44
・。長く独身を続けている身、
「緊張した」という日がいつのことだったか、全く記憶にない。面接や試験を受けた 記憶を辿っていくと・・
たまには声がかかってデー
トをする時がある。初めての男性に会いに行く日は、確かに多少は緊張もした覚えがある。しかし、しかし、 その緊張をしていたはずの初デートも度重ねているうちに、
緊張感を覚えない (恐ろしい! 図々しい!)。サラリーマン川柳に「妻の声、
初めての男性と会う時すら、 昔ドキドキ、
今動悸」というのがあって、「まさに!」と思ったことがあったが、動悸は別にしても、 ドキドキは全くと言っていいほどしなくなった。
これが若くないという証拠か。 こうやっ
て、ますますおばさん症候群一直線を辿っていくのであろうか・・・。たまには緊張 することをして、身を引き締めないと、精神も肉体も緩みっぱなし、である。 (Belle)
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