SAN DIEGO YU-YU
AUGUST 16, 2012
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ス タ ッフ 閑 談 今回のテーマは「台所/キッチン」
かやぶ ▽ 福島県会津の米作り農家に生まれた。茅葺き屋根の大きな家に入ると、広い土間があり、そのまま土間が台所まで続い
ていた。台所には、かまど、流し、山の湧き水が溜まる水がめがあって、女性たちが世間話をしながら血縁親族10世帯分の 料理の煮炊きをしていた。農繁期には皆が立ったまま土間で握り飯を口に頬張っていた。人と湯気とかまどの煙でいつも賑 やかな、そんな台所空間が好きだった。▽6歳の時、一家揃って千葉県に移り住み「あいづや」といいう八百屋を開いた。 昭和30〜40年代の高度成長期、新天地の習志野には大規模な団地が造成され、テレビ・冷蔵庫・ 洗濯機の
「三種の神器」が時代の最先端として団地生活を演出していた。 「食寝分離」
幼年期を過ごした旧家の台所には戦前の竈 かまど
濃い武士の家系。家長の祖父は旬 しゅん
「生きた歳時記」 の食材を好み、
が残され、祖母が総料理長の風格で指揮を執っていた。我が家は封建色の 1人だけ豪勢なメニューで1日5度の食事 (!) を楽しんでいたのを思い出す。
四季折々の旬の味に通じ、台所にズラリと並んだ食材の最高の味わい方と、日本の習慣の本義を幼い私に説明してくれた 祖母は
ごこくほうじょう 「親子分離就寝」
が可能な3DKに住んでいる「団地族」に羨望の眼差しが向けられた。その後、炊飯器、レンジ、冷食、 インスタントなど、我が家でもキッチン革命の恩恵に預かり、料理のレパートリーを増やしていった。 ▽ 母が亡くなって以来、実家では86歳の父が台所に立っている。趣味の写真撮影ツアーの合間に、 iPadで 「おひとりさまのご機嫌キッチン」 を見ながら作る料理は結構いける! 里帰りが楽しみだ。 (NS)
小さい頃、長女の私の “専属家事” はキッチンの掃除全般。料理はしないけど、掃除だけはとにかくお
任せ! そのせいかもしれないが、この私は “掃除オタク” になってしまいました! もちろん、必要なものし かキッチンカウンターに置かない! 汚れは絶対許さない! シンクに洗い物があったら、1つだけでも必ず 洗って、空シンクにする! 夫から「十分キレイなのに、なぜまた拭き直しているの?」とよく言われる。 私の答えは「それは、、、、、 とだけではない。
料理の味、
キレイさのレベルが違うから」 香り、
プレゼンはもちろん、 すべて料理に含まれている。 。私の “料理法則” 食卓に料理を並べ終えた時には、 とは作るこ
その準備作業から片付けまで、 キッチンでも使った鍋、
皿などはキレイに洗い終っているべき! こんな私だから、夫はキッチンでまったく料 理をしない=できないと言ったほうが正しいかも。そんなわけで、いくら忙しくても 我が家のキッチンは私が仕切っていて、私がご飯を作っている! (S.C.C.N.)
家を買うなら、借りるなら、広々としていて機能的なキッチンがあることが重要条件の1つ。最近、強くそう思う。今住ん でいる家のキッチンは広い。カウンターも贅沢に広い。畳1枚分はある。だからケーキ作りもラクラク。細々とした材料をい くつも並べても、まだまだ。ボウルを数個、ハンドミキサーを置いても、まだまだ。小麦粉をふるいにかけるのって、スペー スが必要なものだが、これも苦にならない。それから、収納スペースが十分取ってあるのも素晴らしい。2つあるシンクも 大きめで使いやすい。高さも自分の背丈に合っているので、食器を洗っていても腰が痛くならない。 オーブンも大きい。グラタンもピザも同時に焼ける。欠点を挙げるとすれば、多少くたびれている。 コンロが電気。ありんこが出る……くらいか。この家に引っ越して大正解だった。そうそう、機能性 だけでなく、自由度が高いことも最高のキッチンの定義に挙げたい。うちのルームメートはほとんど 料理をしない。だから、いつ何時でも私がキッチンを自由に使えるのだ。いつかマイホームを購入して、 自分だけのステキなキッチンで料理の腕を揮いたいわ。
まさにキッチンは主婦の聖域ってモンよ! (AS)
うちのアパートの台所は、アメリカン・スタンダードで言うなら小さいほう。小さいと言っても、十分調理できる カウンター、たくさんの戸棚、4つコンロが付いていて七面鳥が楽々入るオーブン、お魚が焼けるブロイラー、フル サイズの冷蔵庫、窓際にある流しは2つに分かれていて、すご〜く気に入っている。ところがどっこい、名古屋の 実家は、流しは洗面器ほど小さくコンロはたったの1つ (2個なんだけど1つ壊れた)。もちろん1人しか立ち入れ ない。冷蔵庫は私の背ぐらい? (約150cm)。カウンターは狭くて低い。アメリカンサイズに 慣れてしまったから、
実家でとんとん野菜を切ると、 低すぎて首が痛くなってしまう。 最近、
だった。旬の野菜を供えて、五穀豊饒を神様に感謝する儀式が「お月見」と教えてくれたのも祖母。 名月」と呼ばれた中秋の名月 (十五夜) には、定番のススキと月 「豆名月」と称される10月の十三夜には、 柔ら
月見は年に2回行うもの。「芋 いも
見団子は勿論のこと、 12個のサトイモを供えていた。
水に浸して茶色になるまで煮込んだ枝豆が登場した。旬の枝豆の本来の風味はしんなりと 4 4 4 44
かく変色した大豆にあり、緑色で歯触りの良い食感にあらずと祖母が言う。祖母が亡くなると、 月見の習慣が途絶えたばかりか、
旬が原点の 「台所文化」 を蘇らせるには露地栽培への回帰が必要だ。 (SS)
季節を問わず野菜や果物が手に入る促成栽培の時代になった。 帰国する度にそう思う。
高校生のころにお菓子作りにハマって以来、キッチンで過ごす時間が多くなった。さらに、うまい具合に 母が私を褒 でも、
ほ
め、その気にさせたので、夕飯の用意をするのも好きになった。料理を作るのは今でも好きだ。 2年前まで住んでいたスタジオアパートでは大変だった。スタジオの割にリビングルームは広々として
いたのだが、キッチンがものすごく小さい。シンクはちょっと大げさだが「飛行機の中の手洗いですか?」 と思うほど。ちょっと大きい鍋になると入らないから、 チンの棚もとても小さかったので、入りきらない調理器具、
バスルームで洗っていた。キッ 食品、食器はすべてクロー
ゼットに収めて使っていた。まな板を使うスペースはなかったので、シンクの端に不 安定において使った。でも不便さも慣れると大丈夫になり、5、6年そこに住んだ。 今住んでいるコンドに付いているのは普通の大きさのキッチンで、 もうそれに慣れてしまったので、前の狭いキッチンには戻れないと思う。 (YA)
アメリカに暮らすようになって、一番違和感を感じたのはキッチンのカウンターの高さ。日本でも背の低いグループに入る 私は、
あぜん
ほどほどに便利だ。
こちらのキッチンに立つと自分の身長がさらに縮んだような気にさせられた。巨大な冷蔵庫に、ディッシュウォッシャー、
スイッチひとつで生ゴミをみじん切りにしてしまうディスポーザー。便利なものがいろいろなあるなぁと感心したのを思い 出す。ただ高すぎるカウンターだけはなかなか馴染めずにいた。日本のカウンターが恋しいなぁと思いながら使っていた はずなのだが、しばらくぶりに日本に里帰りした際、実家の台所に立って唖
然とした。低すぎる…。
これが私がずっと心地よいと思っていた高さなの?! 野菜などを切る時も必要以上に前かがみ になって、何ともおかしな格好になってしまうのだ。慣れとは恐ろしいものである。私の体はいつの 間にかすっかりアメリカの標準に染まってしまっていたらしい。気が付けば、公衆トイレの音姫 (まだあるのでしょうか?) も必要と感じないし、ウォッシュレットがあっても怖くて使えないし、 小雨程度なら傘をさして歩かないし、私はもう、日本にいた時の私でなくなってきている。 (RN)
2歳の娘が退屈そうなので、おもちゃのキッチンを手作りで作ってみた。本当は面倒なので、安い 今思うと、
お母さん、これでよく家族6人分の食事を作ってくれていたよ〜! ニッポンの母強し!という ことで、私は家に台所があってありがたやありがたやで、最近作ったのは涼しいスイカゼリー &スイカジェラート〜。最近よく飲んでいるのはビール〜。台所って何か作りながらビール 飲むのに最高の場所でもあるよねー! (
みほし “ね” って、 なつき あやも 意見押し付け?) (満星と那月と彩雲のおば)
ものでも買ってしまおうかと思ったのだが、日本にいる姉が「100円ショップで材料を集めて作れば、立 派なキッチンができる。買うのはもったいない」と言うので、早速、段ボールや小物を集めて作り始めた。 作り始めると意外にもハマってしまい、シンクはどうしようか、ガスコンロはこんな感じ? などなど、娘が 自分の作ったキッチンで遊ぶ姿を思い浮かべなが ら、2日ほどかけて完成させ た (結局、
あまり凝っていない)。出来上がったキッチンを
かわいいでしょ〜!」と娘に見せたら、喜んで遊び始めた・・・と思ったら、キッチ ンの台である段ボールを持ち上げ、ひっくり返して乗り潰し、段ボールに貼り付けた だけの偽ガスコンロはビリビリと剥がされ、 なった。
恐るべし2歳児の破壊力。 もう手作りのおもちゃなんて作らないと決めた。
「ほ〜ら! キッチンだよー。
1時間ほどでキッチンはただのゴミと (SU)
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