サイクリングで体力づくり 家族で楽しむ大自然 米ボルダー・ロッキー山脈
市街地の中心を流れる小川、ボルダークリーク 沿いにあるサイクリングロードをゆく。
隣には、
ジョ
ギング専用の道。自転車と人がぶつからないよう に、うまく配慮されている。町全体が大きな公園 のようだ。
旅行者用の歩道は「トレール」と呼ばれ、体力に 合わせて何種類も用意されている。そのうち、ほ とんど傾斜がなく、車いすの人も観光できる初級の コースを選択し、湖の周りを歩いた。 万年雪をたたえた岩肌が朝日を受けて黄金色に 輝く。青というには明るく、水色よりは濃い、澄ん だ湖面に映る針葉樹林。
「クリスマスの景色みたい」
と喜ぶ娘。 この国立公園には山岳道路があり、米国の舗装 路の最高地点がある。標高は3,713メートルと、 富士山に迫る。ベアレークを出て、この道を車で一 気に上った。 ごつごつした岩の間を抜ける。ガードレールが ないため、油断すると谷底へ落ちてしまいそう。 霧を抜け、最高地点で車を止める。さすがに空 気が薄い。
。
4,000メートル級の山々の尾根の先に、青空が 広がっていた。
ベアレークの湖面とロッキー山脈=米コロラド州
米ロッキー山脈の麓、標高約1,600メートルの ボルダーは、心肺機能を鍛える「高地トレーニング」 の拠点として、元マラソン選手の高橋尚子さんら多 くのアスリートが練習に励んできた町。美しい自然 を眺めながらサイクリングやトレッキングが楽しめ るので、アクティブ派の家族旅行におすすめだ。
X X X X X X X X X X X X X X ロハス先進地
勇壮なロッキー山脈の岩肌と、深い緑の森の合間 に点在するカフェやオフィスビル。朝のボルダーのあ か抜けた街角は、学生から高齢者まで、ジョギング やサイクリングをする人であふれる。 航空宇宙学で有名なコロラド大学の広大なキャ ンパスが広がり、IT系企業も多いボルダーは、米
国でもいち早く環境保護に目覚めた 「ロハスの先
進地」として知られる。普段は運動が苦手でも、 ここなら気持ち良く体を動かせそうだ。 まずはレンタサイクル店へ。
「早く自転車に乗り
アウトドアの本場らしく、子ども向け遊具もロックク ライミングの岩=米コロラド州ボルダー
(共同)
「雲がつかめるかな」娘が手を伸ばす。
強烈な香り
娘の歓声が突然、悲鳴に変わった。涙をポロポ ロ流しながら「バッタが…」
。トレーラーの中に入り、
暴れ回っているらしい。1時間ほど走ったので、そ ろそろ休み時。冷涼な気候と水の良さという立地 を生かしてフレーバーティーを製造する
「セレッシャ
娘をトレーラーに乗せ、自転車で引っ張る= 米コロラド州ボルダー
たいよ」 ても、
。連れてきた5歳の娘がはしゃぐ。といっ 自分が運転するのではない。娘は小型トレー
ラーに乗り、自転車につないで引っ張るのだ。さ ながら最新鋭の人力車といえようか。 店員のお兄さんが「意外と楽に進みますよ」とほほ
環境意識の高いボルダーには、服や靴のリサ イクルボックスがある=米コロラド州
36 SAN DIEGO YU-YU MARCH 1, 2012
笑む。どれどれ、ペダルに力を入れると、トレーラー はすっと動いた。風を受ける。あっ、これ、楽しい。 後方から、きゃっきゃと歓声が。
ルシーズニング社」に入った。 ここでは工場の一部を見学できる。衛生状態を 保つためにシャワーハットのような紙製の帽子を かぶり、高さ5メートルもある倉庫に入ると、ミン トの匂いの直撃を受けた。 「茶葉は2トンあります。どうです、さわやかな 気分になるでしょ」と案内の女性。スッとする、ど ころではない。まるで鼻を刺すような強烈な香り。 見学を終え、併設のカフェでハーブティーを何杯 も試飲した妻はすっかりご機嫌だ。
米国最高地点へ
翌日はロッキーマウンテン国立公園でトレッキン グに挑戦。日の出前に宿を出て、車で1時間半走 ると、国立公園内の湖、ベアレークに着いた。人 気のハイキングスポットだ。
米国の道路の最高地点近くにある休憩所。 標高は約3,600メートル=米コロラド州
コロラド州は自然の宝庫
米国西部にあるコロラド州は、ボルダー のほかにも自然に恵まれた魅力的な観光地 が多い。 デンバーの南にあるコロラドスプリング ズも高地トレーニングの拠点として有名。 米国の五輪出場選手が練習に励むトレーニ ングセンターがあり、見学できる。近くに そびえる標高約4,300メートルの山、パイ クスピークの頂上へは登山鉄道で行ける。 ロッキー山脈にあるグレンウッドスプリン グズには、お湯の量が400万トンに達す る世界最大の温泉プールがあり、観光客で にぎわう。スキーの聖地、アスペンも同州 にあるが、夏にハイキングで訪れても楽し める。
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